» 司馬遼太郎（２）《歎異抄に魅せられた人々》|親鸞会

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お伝えするための集まりです。
「親鸞聖人といえば歎異抄」といわれるほど歎異抄は有名ですが、
「歎異抄に魅せられた人々」と題して連載しています。
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前回に続き、国民的作家、司馬遼太郎氏が

いかに歎異抄に魅了されていたか、
書いていきたいと思います。
司馬遼太郎は、歎異抄の愛読家だったようです。
講演では次のように話をしていました。

「法然上人のお弟子さんが親鸞聖人ですが、さらにそのお弟子の唯円という方に
お話しされたのが、『歎異抄』ですね。
大変な名文でして、私は若いころからこの本を愛好しています。

私は学生の半ばで戦争に取られまして、いきなり死について考える事態に立ち至り
ました。

生きて帰れることはないと思いましたし、しかし、平素、死ぬということを考えた
こともなかったのです。
いろいろなことを考え、読みもしました。そして『歎異抄』も読んでみました。」

（出典）司馬遼太郎『司馬遼太郎全講演』１、朝日文庫、2003年

若いころから愛好していただけあって、様々な場で『歎異抄』を褒め称えています。
たとえば、ある講演では次のように話をしています。

『歎異抄』についてわずかに触れておきます。
さきにふれたように、この本は関東の草深い田舎に住んでいた唯円という
非僧非俗の人が、親鸞のことばを筆記したものです。
唯円は仲間とともにはるかに旅をして京の親鸞をたずねました。
目的は信仰上の疑問について質問するためでした。

じつにいい文章です。

明晰（めいせつ）な論理と、みごとな修辞に富んでいます。

ついでながら、十三世紀以前の日本の文章について触れておきます。
日本は中国から見ればはるかに遅れて文明にむかって出発した国でした。
従って日本語も未熟で、十三世紀までは思想的な内容のものは、中国語（漢文）で
表現されるのがふつうでした。

むろん、物語としては、十一世紀という早い時期に、日本語で書かれた「源氏物語」
という長編小説がありましたが、日本語で思想がのべられたものとしては、
十三世紀の『歎異抄』が最初のもので、しかも傑作というべき名文です。

（出典）司馬遼太郎『司馬遼太郎が考えたこと』15、新潮社、2002年

・じつにいい文章です。
・明晰（めいせつ）な論理
・みごとな修辞
・傑作というべき名文

と絶賛の言葉が続きます。
しかも歴史に詳しい司馬遼太郎は『歎異抄』が日本語で思想がのべられた最初の本
とも評しているのです。

さらに司馬氏の言葉を紹介しましょう。

「明治以前の文章家のなかで、平易達意の名文家は、筆者不明の『歎異鈔』と
　室町末期に本願寺を中興した蓮如上人（白骨の御文章）と宮本武蔵
　（五輪之書）のほかにはみられない」（真説宮本武蔵）」
　　
　（出典）司馬遼太郎『真説宮本武蔵』講談社文庫、1983年

宮本武蔵の小説を書いた司馬遼太郎ですが、平易達意の名文家として宮本武蔵のほかに
歎異抄の筆者と蓮如上人をあげています。
まさに司馬遼太郎は慧眼の士といったところでしょうか。

かくも強烈な影響を与え続けている歎異抄ですが、今、不可解なことが
おきています。
そのことについてはコチラをクリック↓↓

浄土真宗 親鸞会・現代に生きる仏説｜『歎異抄をひらく』から１年５カ月の現状

つづく

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