2009/03/11
勝利者は常にあきらめない
仏教の根幹は因果の道理。その仏教の真髄を教えられたのが親鸞聖人です。
親鸞聖人の教えを我も信じ、人にも教え聞かせることを常訓としている親鸞会会員もまた、因果の道理に順じ、廃悪修善に努めることを忘れてはならないでしょう。
仏教で教えられる多くの善を六つにまとめたのが六度万行。
その一つが「精進」です。
今日の言葉でいえば「努力」ということです。
その「努力」の塊のような人がいました。
片腕の大リーガー、ピート・グレイです。
夢をあきらめない
ピート・グレイは1917年アメリカのペンシルベニア州に生を受けました。6歳の時,事故で利き腕の右腕を失います。
大リーガーになるのが夢だったピート少年。
父親に
「片腕じゃ野球はできっこないよ。僕はもう大リーガーにはなれない。ヤンキースタジアムで野球はできない」
と悲しげに言ったところ、父親は、
「何を言っているんだ。やる気になればできないことはない。あきらめるな」
と言ったといいます。
右腕は切断されても、夢と希望を切断させたくない、と思っていたのです。
それからピートは炭坑チームのグラウンド(ほとんど草原ですが)で朝から夕方まで野球の練習をしました。
昼飯は父親がサンドイッチを運んでくれました。
朝は一人で練習。
炭坑の仕事が終わって炭坑チームが集まってくるとバットボーイや球拾いをさせてもらいました。
そして左手一本で球速に負けないため、重くて長いバットを使いました。
しかし、そのためには、さらに強い左手の筋力を必要とします。
ハンディキャップを克服するために涙ぐましい訓練を続けてそれを身につけたのです。
打撃にもまして大変だったのは守備でした。どのようにしたのか?
フライを捕る時にはグローブを胸に押し当て、指と右腕の付け根を
使ってグローブを外し、右脇に抱えると同時に左手でボールを
つかんで投球する。
ゴロの場合、ボールを軽く空中にはね上げ、その間に右肩の付け根に
挟んだグローブから左手を外し、その手で投げ返したのです。
手を深くグローブに入れていたのでは素早く抜くことができないので、わざわざ指の短いグローブを作って、半分しか手を入れなかったのです。
しかも少しでも手の感触をよくし、手の出し入れを滑らかにするために、グローブの中の詰め物はほとんどなく、革だけに等しかったのです。
そんなグローブでボールを受けたら、痛くて手がしびれてしまいます。
ペチャンコで指の短いピートのグローブには、
文字どおり、彼の汗と涙と血がしみ込んでいたのです。
夢の実現とMVP獲得
こうしてピート・グレイはプロ野球に入る機会を求めて野球が盛んなカナダに行きました。しかし、片腕のピートを見て、テストすら受けさせてもらえません。
24歳の時、ニューヨークに行き入団テストを受けにいきました。
しかし取り合ってくれません。
10ドル紙幣を取り出し
「これは僕の全財産ですが、あなたに預けます。僕に入団テストを受けさせてください。もし、僕がチームの役に立てそうになかったら、返さなくてけっこうです」と言いました。
オーナーは自信と必死な態度に負けて、テストだけは受けさせることにしました。その時見事合格できたのです。1942年晴れてマイナーリーグのプロになることができました。
その年、打率は3割8分1厘で打率トップでした。
2Aリーグに昇格し、1944年には3割3分3厘の打率と、ホームラン5本、ホームスチール10回を含む68盗塁という輝かしい成績を上げ、MVPを獲得しました。
彼のいちばん好きな言葉は
A winner never quits.
(勝利者は常にあきらめない)
だったそうです。
できない理由もゴマンとありますが、できる方法も無限にあるものです。
そう、大きな夢を持ち、努力を惜しまなければ。
(M)
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