2009/03/10

私が変わり、周りが変わり、世界が変わっていく

gq138 l 私が変わり、周りが変わり、世界が変わっていく
人気番組『あいのり』がもうすぐ終了するそうです。

「ラブワゴン」と名づけられたピンク色のワゴンに男性4人・女性3人の計7人が車に乗って、世界各地を旅する。

その道中で告白したり振られたりと様々な恋愛ドラマが巻き起こり、視聴者はいつしか出演者にシンクロし、手に汗して応援したりする番組です。

近代化を望まない国「ブータン」

それはともかく、このラブワゴン、ホントに世界を回りました。

その中でも印象深かったのがブータン。
インドと中国に挟まれた国で、正式名称は「ブータン王国」といいます。

急速な近代化(欧米化)の中で「世界で唯一近代化を望まない国」、それがブータンなのです。

その中心となる概念が、前国王の提唱したGNHです。

GNH

国民総生産=GNP(Gross National Product)という経済至上主義の指標よりも、GNH(Gross National Happiness)という「国民総幸福」のほうが大事だよという考えです。

世界の経済学者が勉強してきたのは「経済学のための経済」であって、「人間あっての経済ではない」と指摘し、「精神性の高さ」をブータン王国の人々は培っているのです。

ちなみに2006年、イギリスのレスター大学の社会心理学者エードリアン・ホワイト氏が、ユネスコ、WHOなど各種国際機関のデータを分析して行った「GNHランキング」=「国民の幸福度順位表」によると、

1位 デンマーク
2位 スイス
3位 オーストリア
4位 アイスランド
5位 バハマ
6位 フィンランド
7位 スウェーデン
8位 ブータン
9位 ブルネイ
10位 カナダ

23位 アメリカ
35位 ドイツ
41位 イギリス
62位 フランス
82位 中国

さて日本は?

分析の対象となった178カ国中で、日本はなんと90位です。

またMTVネットワークスが、世界14カ国、計5,200名の8歳から34歳の子供と若者を
対象に6カ月間にわたって行った幸福に関する調査(2006年11月公表)によると

(調査の対象国は、アルゼンチン、ブラジル、中国、デンマーク、フランス、ドイツ、インド、
インドネシア、日本、メキシコ、南アフリカ、スウェーデン、イギリス、アメリカ)

「今の状況は幸せですか?」との質問に対し、

14カ国平均が

8~15歳・・・・57%
16~34歳・・・・43%

13位だったイギリスは

8~15歳・・・・44%
16~34歳・・・・21%

で、日本はダントツの最下位

8~15歳・・・・13%
16~34歳・・・・8%

異常な数字といっていいでしょう。

いかに他国と比べて日本の子供たち、若者たちが今の状況に幸せを感じていないかが
分かります。

ブータンと日本の共通点は?

「夜回り先生」として知られる水谷修さんのところに届いた相談メールは、1年半の間に、16万通。

内容は

「死にたい」
「リストカット」
「オーバードーズ」
(ドラッグや抗うつ剤などの薬物を一度にたくさん飲むこと)
「自傷行為」
などの深刻な悩みばかり

警察庁は3月5日、今年1月の全国の自殺者は2645人と発表しましたが、これは昨年の1月より340人多い数です。もし昨年の自殺者が3万人を超えれば11年連続ということになります。

GNH8位のブータンと90位の日本。
それはこのようにハッキリとした形で表れています。

 

明暗を分けたブータンと日本ですが、実は双方に共通点があるのです。
それは「仏教国」であること。

 

しかし、戦後両国の歩んだ道は正反対でした。

日本は仏教精神を置き忘れ、ひたすらに高度経済成長を追求し、西欧的思想に走りました。

勝利に固執し、蹴落としてでも、悪さしてでもやったもん勝ち、
「他人が困ろうがどうしようが知ったこっちゃない、そいつが間抜けだからさ」
という風潮がいまだ蔓延しています。

目に見えない「大切なもの」

かつて芥川龍之介は『蜘蛛の糸』で自己中心的な我利我利亡者の末路を象徴的に著しましたが、そこかしこにカンダタが出現しているようです。

結果、物質的豊かさは世界トップクラスになりましたが、心の豊かさは上記のごとくに成り下がってしまいました。

若きブータン国王は『近代化がもしもこの(こころの)豊かさを侵す時がきたらブータン王国は滅びていく』と言ったそうですが、今こそ目を覚ます時だと思います。

ではブータンが重んじている仏教精神とは何か?

利他心であり、慈悲の心。
そして他人が見ていようがいまいが関係なく、まいた種は必ず生えると教える因果の道理。

自分を犠牲にしてでも人を思いやる心、苦しんでいる人を見たら、助けたいと思う心、他人の喜びをわが喜びとする心、コツコツと善い種をまき、悪い種はまかないように心がける、この目に見えない「心」こそ大事ではないでしょうか?

もともと日本にはこの「宝」といえる「仏教精神」があるのです。

アインシュタインもニーチェもハイデガーも感動したといわれる仏教。

それが「古くさいもの」「葬式や墓番」と日本の人が思っているのはまことに残念です。
ましてや日本でも最も多い宗派の「浄土真宗」に「善のすすめはない」などとの誤解は、世間一般的に見ても、いかに恐ろしいことか分かられると思います。

 

因果の道理を明らかにされたのが仏教。

その仏教の真髄を教えられた「親鸞聖人のみ教えを我も信じ、他人にも教え聞かしむるばかりなり」
これが浄土真宗親鸞会、常の訓示です。

仏の教えを聞き学び、実践すれば、私が変わり、周りが変わり、世界が変わっていくでしょう。

(M)

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コメント

  1. 親鸞会ブログ ポータル より: 2009 年 3 月 11 日 1:19 PM

    私が変わり、周りが変わり、世界が変わっていく…

    GNH(Gross National Happiness)という「国民総幸福」についての
    分析がなされ、順位が発表されました。
    ブータン8位だったのに日本は90位!
    この違いは?? 気になる方はこの写真を…

  2. 親鸞会ブログ ポータル » Blog Archive » 小澤征爾さん、食道がんの治療に専念(小澤征爾さんの名言紹介) より: 2010 年 1 月 7 日 11:56 AM

    [...] 親鸞会.NET» » 私が変わり、周りが変わり、世界が変わっていく [...]

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