2009 年 7 月 31 日

クリンナップ作業で一苦労・・・フラン制作日記

カテゴリー: 制作の現場から — sukeroku @ 11:18 PM

最近「萌えに走っていないか」と言われます。
私自身は、そんなつもりはないのです。

このブログだけではなく、最近の親鸞会に関するコンテンツで、何やら「萌える」内容があるのは、説明するまでもありません。

いわゆる「アニメ絵」なんですが、水彩や油絵と違ってペイントが単純に見えるので、いとも簡単に描いているというイメージをお持ちの方がありますが、そんなことないですよ。

一連の萌え絵を描いた後は、かなり肩がこります。
ええ、ガチガチです。

最近のテレビアニメを見ていると、3Dデータを使って、原画・動画を書くことなくセルアニメ風に仕上げたものも見られて、なかなか驚いております。

きらりんレボリューション」を娘と一緒に見たとき、「セルアニメにしては、何やら動きが3Dアニメっぽいなー」と思っていたら、やっぱりCGでした。

技術の進歩は、すばらしい・・・。

思い起こせば今から14年前、あるビデオソフトを作る為に、アニメ用の原画用紙やセル、アニメ用絵の具を買い込んだことがありました。
でも、今時そんなものを売っている画材屋なんて、そう見つかりません……。

一応、私もアニメ制作技術についてある程度学んだ人間ですので、まあ、親鸞会内ではこういう仕事がまわってまいります。

折角ですので、その制作状況を、少しばかり書いておきましょう。

ラフ画

もちろん、最初はラフな絵から始めます。

最近は、このラフ案の原案をそのままスキャンして、パソコン上で清書するというパターンもあります。
ラフからパソコンで書いている方も多いようですが、どうも「アナログな部分」から抜け出せないでいます、私。

で、ラフ画から、奇麗な線で書き直す「クリンナップ」という作業を行います。
クリンナップとはアニメ業界用語なのですが、つまり「清書」のことです。
クリンナップされた絵を、昔はセルにカーボンで写し取って、それにアニメ絵の具で彩色していました。
最近は、そのままスキャンしてパソコン行きのデジタル処理、ですね。

クリンナップしてます

クリンナップ作業は、鉛筆で行います。
プロの世界でもそうです。
アニメーターそれぞれの筆圧によって、芯の固さが異なりますが、私は三菱uniのHBが一番好きです。

その鉛筆で、均一な太さで線を奇麗にトレスしていきます。

均一ってのが難しい。鉛筆って、ちびますからね。
根気よくなぞっていく訳です。

主線を書いたら終わりです。

フラン清書

プロのアニメ制作現場では、この主線だけではなく、影の部分や白目の淵など、彩色の境目となる線も赤鉛筆などで入れていく作業があります。
アニメは分業で作られますので、動画マンは次の彩色担当者でも分かるような絵を描かねばならない訳です。
いやはや、大変です。

ラフ画から、トレスしてパソコンに取り込み、色付けまで全部一人でやるのは大変ですが、分業にすればもっと手間がかかると思うと、プロのアニメーターさんを尊敬せずにおれません。

さて、続きはまた次回。

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