光に向かう青年たち|親鸞会 会員の声

人生の目的を知ることができた!!

古河 恵美(仮名)

 大学時代、環境問題に携わる研究者を目指し、卒業後は大学院に進学するつもりでした。

 ところが3年生のころだったか、自分が生涯かけて研究するテーマを、いったいどんな基準で選ぶべきかと考えていた時のことです。


 生涯かけて研究するテーマなら、「興味がある」というだけではなく、「人の役に立つ研究」でなければならないと思いました。

 しかし、さらに一歩踏み込んで考えた時、では、私の研究は「人が生きるために役立つ」ということだが、「人が生きる意味」とは何だろう。人が生きることに意味がなければ、私の研究は無意味になってしまう。

 いや、私の研究に限らず、すべての学問、そして政治、経済、科学、医学、趣味、芸術その他、すべてのものが無意味になってしまう。

 人が生きる意味が分からねば、人類の一切の営みは無駄ではないか。毎日、食べて、寝て、呼吸して、生きていることがすべて無駄になってしまうではないか。


 人はなぜ生きるのか。生きねばならない理由があるのか。

 これ以上ない大事なことを、よくも今まで考えもせずに生きてきたものだ、と愕然としました。


 それに気がついた瞬間、私には「なぜ生きる」を問うことが、自分が今、なすべき最優先課題となりました。それまで、哲学などは無益な学問と考えていましたが、哲学が「学問の祖」といわれたゆえんが、身にしみて分かりました。


 大学では、地理学科で環境問題をテーマに研究していましたが、哲学を勉強するために実家に戻り、地元の大学で聴講生として授業を取り、哲学科の大学院に編入しようと、進路を変更しました。


 しかし、哲学を勉強したところで、「なぜ生きる」の答えなんて出るはずがない、私が考えて出るような問題なら、過去の天才たちがすでに出しているはずだ、という思いもありました。

 考えても出ないと思いながら、その答えを求めようとすることに絶望的な思いでいっぱいでしたが、答えが出ないと思うからといって、あきらめることはできませんでした。なぜなら、問うことをあきらめることは、生きることをあきらめることに直結したからです。

 生きることをあきらめるようなことになってはならない。

 そうは思うものの、答えが出ないことに、いつしか疲れ果て、発狂するか、自殺してしまうのが自分の未来なのではないかと感じ、自分の将来に一切の光を失いかけていました。


 それでも、何とか生きる希望を見つけようと、とにかく犬も歩けば棒に当たるかもしれないと思っていたある日、1枚のビラに、「人生の目的」と書いてあるではありませんか! しかも、思わず立ち止まった私にその人は「人生の目的がある!」と断言するのです!!

「そんなバカな! 何を根拠に!」と、怒りに近い感情を覚えました。

 しかし、まさか、と思いながらも確かめずにはおれませんでした。


 すると、人生の目的が仏教、しかも親鸞聖人の教えにハッキリと示されているというのです。驚きました。

 親鸞聖人と聞いて、日本史で習った「悪人正機」を思い出しました。

 しかしそれは、心優しい聖人が、「自分は悪いことばっかりやってきたから、救われないよ」というような人に対する、気休めの言葉ぐらいに考えていました。

 ところが実は、そんな気休めなどではなく、本当はもっと深い意味を持ち、人生の目的を示しているのかもしれない、と直感したのです。

 また、お釈迦さまがさとりを開かれた時に、教えを説かずに自殺しようとなされたという話も聞いたことがありました。

 それは、仏教があまりにも深遠な教えで、正しく理解することが難しいためであり、その結果、今日はほとんどが、葬式・法事仏教といわれるまでになってしまった。

 もし今日、そのお釈迦さま、親鸞聖人の真意を知っている方がおられたならば、本当に「人生の目的」を知ることができるかもしれない!と思いました。

 そして、無明の闇が苦悩の根元であり、それがぶち破られて、人間に生まれてきてよかったという生命の大歓喜を得ることこそが、人生の目的であるということを知らされたのです。

虹

 後生暗い心を抱えたままで、現在、安心・満足になれる道理は確かにない。これこそまさに、万人共通唯一の人生の目的だと深くうなずかずにおれませんでした。

 同時に、過去、大天才たちが逆立ちしても知りえなかった、そして、これ以上人間にとって大事なことはない、人生の目的を知ることができた!

 自分は、1億円の宝くじを100回連続で当てたことよりも、比べものにならない幸せ者だ!

 あまりの驚き、感動に震えました。

 生きる喜びを今かみしめています。



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