光に向かう青年たち3|親鸞会 会員の声

宗教観が一変しました。

白石由香さん(仮名)ブラジル出身

 父が新興宗教・生長の家に通うようになり、家の中は真っ暗になっていきました。
 唯一家族がそろい、楽しい会話がなされるはずの食事が、私には恐ろしい時間でした。ポルトガル語を使うと、「日本語で話せ」と父はどなります。日本語をあまり話せなかった私は、昼休みに帰宅する父の車の音が聞こえると、食事をのみ込んで、部屋へ逃げ込むようになりました。

 父は何か悪いことが起きると、
「おまえが先祖の供養をしてないからだ」
と、何でも母のせいにします。

 私は父をこのようにしてしまった生長の家を恨みました。母の涙を見るのが何よりもつらく、私の口癖はいつしか、「寿美はいつまでも、母ちゃんのそばにいるからね」になっていました。

 そんな環境で育ったからか、人の性格や行動をよく観察するようになりました。悪いことをする人、優しい人、人それぞれ性格や行動が異なるのはなぜかと疑問でした。

 そもそも人は何のために存在し、なぜ苦しくても生きていかねばならないのか。どこかに大きな力を持った者がいて、人間を生まれさせたり、死なせたり、人形のように操っているのか。考えてみますが分かりません。

 近くの本願寺に通いましたが解答は得られません。答えが出ないのならば、何も考えずに世間の流れに任せて生きようと思うようになりました。

 一大転機は高校3年の時。サンパウロに住む姉が仏縁を結んだのです。

「今度日本から素晴らしい仏教の先生が来られるから、サンパウロまで聞きに来て」。

姉の勧めで母ともう1人の姉と私は、講演会場へ向かいました。

 そこで高森先生の「因果の道理」のご説法に聞き入ったのです。この方ならきっと私の疑問に答えてくださるに違いないと、感激で胸がいっぱいでした。その後サンパウロの大学に進み、姉と毎日のように聴聞させていただくようになりました。

 卒業後は、日本で働きながら仏法を求める決意をしました。今は遠く離れて暮らす大好きな母、そしていまだ真実知らぬ父に親鸞聖人のみ教えを必ず伝え、永遠の親子となれるよう、一層光に向かって進ませていただきます。

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