青年大会|親鸞会 会員の声

祖父にも伝えたかった

向井 洋介(仮名)

 学生生活を終えて就職しました。

 社会人になって知らされたのは、人生というのは、苦労の連続だということです。

 就職活動のあと、やっと就職できたと思ったら、毎日、朝から夜まで仕事に追われて、1日1日がとてつもない早さで過ぎていくのを、ひしひしと感じます。

 朝の通勤電車では、すべての人が寝ているように思うくらいです。立ちながら寝ている人もいます。1分でも1秒でも寝ておりたい、電車が最初に出発する駅から乗る時には、寝るために、我先にと、座席の争奪戦が始まります。


 そんな朝も過ぎて、あっという間に夜になり、仕事が終わって帰りの電車では、座席に座っている多くの人は、朝と同じで、寝ています。皆、疲れた表情をしています。朝からもうすでに疲れていながらも、頑張って出勤し、仕事をし、さらに疲れ切った心と身体で帰宅。また次の日から同じような1日が始まります。

親鸞会と社会

 年齢を重ねるほど、月日がだんだんと早く過ぎていき、そうこうしている間にアッという間の一生が終わり、後生へと入っていきます。ひたすら苦労はしたけれど、いったい何のための人生だったのか、と悲嘆に暮れてしまいます。

 死んでいく時には、努力して手に入れたお金も財産も名誉も地位も何の意味もなく、崩れていきます。ところが、ほとんどすべての人は、そんな意味のない人生を意味がないなんて思わずに、後生の一大事など全く気づかず、ひたすら苦労を重ねて、苦しみながら歩んでいこうとしています。


 そんな中、私は、本当の人生の目的、親鸞聖人の「平生業成」の教えに遇わせていただきました。「今まで苦しいことやつらいことがあったけれど、頑張って生きてきてよかった」と言える、本当の人生の目的、それを教えられた親鸞聖人のみ教えに遇わせていただいた身の幸は、かけがえがありません。

 もし仏縁がなく、目的も知らないまま人生を歩んでいたら、頑張っても、頑張っても、本当に報われたということがなく、同じことの連続で、何も知らぬまま後生へ突っ込んでいたのかと考えると、恐ろしくなります。


 先日、父方の祖父がこの世を去りました。83歳でした。

 何度か親鸞会の講演会に誘ったことはありましたが、中途半端な伝え方で、申し訳なく、もう2度と言葉を交わすことのできなくなった悲しさと、仏法を伝え切ることのできなかった自分に対する悔しさで、とめどもなく涙があふれました。


 もう2度とこんな悲しみは味わいたくない。まだ仏法とご縁がない父や母に、必ず、親鸞聖人の教えを伝えたいと思っています。



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