2010/06/30
家族に伝えたい|親鸞会 顕正新聞
四国の妙好人(みょうこうにん)・庄松(しょうま)同行が、深夜、寺の門を叩き、「大変だ!大変だ!」と叫んだ。
「どうした庄松」
起こされた住職が尋ねると、
「オラ、疑いが起きてきたんだ。地獄は本当にあるのか?」
「今更、お前、何を言う」
「本当に地獄があるのなら、まず妻子に伝えにゃならんだろう。他人に勧めるばかりで家族に伝えていないじゃないか。無いものをあるように教えているからでないかと、疑いが起きてきたのじゃ」
と、辛辣に切り込んでいる。
袖触れ合うも多生の縁といわれる。ましてや家族となれば、よほど深い因縁があってのことだ。久遠劫より流転を重ね、今生、巡り遇わせていただいた阿弥陀仏の本願、往生極楽の道を、自分だけ喜び、家族を放っておけるものでなかろう。
「わが妻子ほど不便なることなし、それを勧化せぬは浅ましき事なり」
蓮如上人の大喝である。
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