2009/02/13

元気な老後は何のため?

介護老人保健施設に勤めた経験のあるまみこさんは、そこで見た高齢社会の現実を次のように語っている。

利用者の多くは、年を取るに従い、自分で歩くことや立ち上がることが難しくなり、自分の筋力で座ることや、寝返りを打つこともできなくなってきます。

私たち介護スタッフは一丸となって、利用者がより自立した生活を送れるよう支援していきます。

「何とか早くよくなってほしい」と思っておられる家族も、リハビリを強く希望されます。「家にいた時よりも、座っていられる時間が長くなってよかった」
「以前は話しかけてもあまり反応しなかったのに、最近は家族が面会に来るとうれしそうに笑う。入所生活が刺激になっているみたい」と、喜ばれる家族は多くあります。

しかし、たとえ少し足の筋力がついたとしても、加齢による体や気力の衰えには到底勝てず、「四苦八苦」で教えられる、老いていく苦しみは止められないことを目の当たりにします。

リハビリをして、少しでも元気に老後を過ごすのは何のためか。
最も大切な目的は不明のまま、利用者も家族もスタッフも、自立支援に力を注いでいますが、人生の目的あってこそ福祉が初めて生きるのだと知らされます。

新聞を読んでも、高齢者に関する問題は多いです。長寿がよいかどうか、仏法を知らねばだれにも分からないと思わずにおれません。

投稿

精神科医となって5年め、巡回している病院に、夫を亡くした70過ぎの婦人が入ってきました。
痴呆症とのことでしたが、診察してみると、自宅で十分、生活できる程度。不審に思って尋ねると、息子夫婦に無理やり、入院させられたというのです。

数ヵ月後に病室を訪ねると、私の顔を見るなり訴えてきました。
「久しぶりに家に帰ったら、嫁が私の部屋で犬を飼っとるんです!」。
夫と汗水流して建てた家に自分の居場所がない。どんなにショックだったか。

患者さんと接する一方で、ご年配の親鸞学徒を見ると、その輝きに驚かされます。

愛知から毎月、親鸞会館に参詣されるゆきのさんは90歳。子供や孫に仏法を伝え、とても大事にされています。
70代のひろこさんは、聞法や講演会のチラシ案内で連日、若者顔負けの活動をされています。

人生の目的が心にあると、こんなに違うものかと驚きます。

縁のある患者さんに真実伝えたい。
高島易断の冊子を熱心に読んでいた患者さんに、
「運命は、日の善悪で決まるのではないんですよ。一生懸命勉強すれば成績は上がるし、怠けていれば下がる。すべて自分の行いの結果です」と話すと、その方は占いをきっぱりやめたではありませんか。

別の患者さんが宇宙の構造を話題にした時には、
「地球のようなものは数え切れないほどありますよね。お釈迦さまは、それらの世界それぞれに仏さまがおられると説かれています」と切りだしました。

大宇宙一の仏・阿弥陀仏のお力で本当の幸福になれると話すと、「そうだったんですか!」と目を輝かせ、少しずつ仏法に耳を傾けるようになりました。

病を治し、人生の目的を伝えてこそ真の医療だと思います。

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